こんにちは、Yです。
バッターボックスに立って、ボールが来たら打つ。
野手としてグランドに立ったら、ボールが来たら捕って、呼ばれた方に投げる。
野球では、みんなが同じように打席にたってボールを打つ、グランドに立ってボールを捕りますが、その中で上手い選手はどのように上手くなっていくのでしょうか。
その答えは当たりまえですが、一つ一つのプレーをより深くまで考え掘り下げて考えて行動した選手がどんどん上手くなっていくのだと思います。
今回は「考えてプレーする」ということについて記事を書きました。
・監督から「もっと考えて野球をやれ」と怒られる選手
・自分の成長の伸び悩みを感じている選手
是非最後まで記事を読んでみてください。
1 野球は頭脳が必要なスポーツ
野球は高い身体能力も大切ですし、素早い瞬発力も、絶対負けない闘争心も必要です。
そして、同じくらいに冷静な分析力・判断力が大切です。
野球というスポーツは、サッカーやバスケなどと違って、次の動きがほぼ決まっているスポーツです。
①投手がホームベースに向かってボール投げる
②打者が投手が投げてきた球を打って1塁ベースへ走る
③ボールが飛んできた野手が捕球しランナーが向かうベースに投げる
④ランナーが出ればランナーを気にしつつ上記を繰り返す
この繰り返しです。
「じゃあ考える必要ないじゃないか」という声が聞こえてきそうですが、そうではありません。
突き詰めて考えていくのです。
・どのように投げれば打たれないか。
・どのように打てばアウトになることなく出塁できるか。
・どのように守れば多くアウトをとって、最小失点で切り抜けるか。
このことをより具体的に考えて実践していくことが野球の中で考えるということなのです。
例えばあなたが投手でマウンドに立った時、立ち上がりは緊張しますよね。
そんな中、先頭打者はあきらかに打ち気に満ちた打者だった場合、素直にストレートを投げますか?
緩い変化球をアウトコースに投げてひっかけてくれたら儲けもの、相手の打ち気に同調せず、アウトコースで様子をみる勇気が大切です。
一方、下位打線の明らかに打たれる気配のないバッターに対してわざわざ変化球を投げますか?
打てないと判断しているなら、強気にストライク3つで終わらせたいと思いますよね。
このようにワンプレーワンプレーでその時のベターな選択が変わってくるのです。
上記の簡単なことから、ランナーがいる時のフォーメーションのような複雑なこと、打者やランナーとの駆け引きといった独創的なことまで、野球というのは頭を使ってプレーすると、より一層おもしろくなります。
これを繰り返すことでワンプレーワンプレーの精度が上がってきます。
チーム一人ひとりが考えて行動し、その方針がチームで共有されていくとチームのレベルが上がっていくのです。
2 考えてやっているか
前項で野球は同じプレーの繰り返しと説明しましたが、実は、すべてが異なったプレーなのです。
これを認識せずにやっているとたくさんの経験を得られる機会を失ってしまいます。
あなたは、先頭打者に対してどのように考えて対峙していますか。
ランナーを出した時はどのように考えていますか。
8番打者に対してはどうでしょう?代打が出てきた時はどうですか。
このようにノーアウトランナー無しの一見同じ状況のプレーでも、投球回や点差によって考え方も変わってきます。
打者と投手の相性や利き手や右打ち左打ちなどの選手の個性も無限大です。
場面(投球回×点差×アウトカウント×ランナー×カウント)
×
選手(投手×ランナー×打者)
という組み合わせを考えると、試合で同じ局面は1度しかないと考えることができます。
つまり、1つ1つの局面がはじめてのパターンばかりなのです。
こう考えると、打者一人ひとりとの接し方が同じではいけないと思えてきませんか。
ノーアウトランナー無しなら、アウトローのストレート決め打ちで投げ続ける選手と場面×選手を考えて投げる投手では、考える姿勢に大きなギャップが生まれます。
この差が経験値の差となって選手の能力の差を生み出していくのです。
同じピンチの場面でも、打順や打者のそれまでの様子をみていると、とるべき選択が変わってくることもあると思います。
例えば、1アウト1,3塁の場面下位打線なら、スクイズや送りバントを警戒し前進守備あるいは、1点はやむなしと判断するのであれば中間守備を考えます。
しかし、これが上位打線となると同じ判断でいいですか?
もちろん点差や局面で絶対に1点をやれない場面では前進守備となるでしょう。
しかし、犠牲フライが考えられる、ヒッティング・エンドランも可能なレベルの選手であれば、無理にホームゲッツーを狙うのではなく、1点は捨てて中間守備あるいはセカンドーファーストのゲッツー狙いの守備を意識し、外野は犠牲フライ前提の少し後ろからの守備になりますよね。
このように点差、局面、野手の守備力や肩の強さ、ランナーの足、投手と打者の力関係を加味してその時々で判断が変わってくるのが野球なのです。
セオリーはセオリーであって答えではない
この考えを持つことが、考えて野球をすることの第1歩なのです。
3 監督の指示に「No」と言えるか
あなたは監督の指示は絶対派と選手の意思を尊重派の監督がいたとして、どちらが優しい監督だと思いますか?
わたしは監督の指示は絶対だとする監督は「その試合に勝つという目的において」は、とても選手のことを考えた優しい監督だと思います。
なぜなら選手に意思決定という精神的な負担を与えず、ただプレーすることに集中させてくれるからです。
しかし、選手の将来を考えた時にその方針で本当によいのかと言う点では疑問に思います。
なぜなら、選手が監督の意思決定を羅針盤にした意思決定しかできなくなる可能性があるからです。
確かに監督の意思決定が絶対のチームではチーム方針が統一されていて統率のとれたチームになるでしょう。
そして普段の練習から意識が統一され試合でも意思決定がスムーズに行えることでしょう。
それはそのチームとして勝つ上では最も効率の良い方法なのかもしれません。
しかし、そのチームを出た選手が、そのチームにいたときのようにプレーできるかは別問題です。
監督の意思決定の考え方を上手く吸収し、状況に応じて判断ができる選手に成長している場合は問題ありません。
問題なのは、今までのように誰かに意思決定を委ねる選手になってしまうことです。
大切なのは監督の指示は絶対派のチームにおいても、
自分で考えることは大切だと認識し、常に自分の答えと監督の答えをすりあわせた上で指示に従うということを意識することです。
可能であれば、自分の考えと違う場合には監督に指示の意図を確認することをおすすめします。
より一層自分の見識が広がり経験値が高くなることでしょう。
自分の考えと監督の考えをすりあわせることを繰り返して自分の見識を広げることで、監督の指示にも「No」と言えるほど自分の意見に自信を持てる選手になって欲しいと願っています。
4 自分の頭で考え、PDCAをぶん回す
自分で考えて、自分で判断して、実行するだけではいけません。
結果を検証してチームの戦略として使えるかどうかを見極めることまでが一つのチャレンジなのです。
スポーツの世界では、自分達で判断したことが、正しかったのか又は間違っていたのかを明確に判断できることはあまりありません。
それは「たられば」の議論になってしまいがちだからです。
しかし、この戦略が今のチームにとって有効で再現性が高いものであるかどうかを見極めることは大切です。
ではどうするか!?答えは繰り返し繰り返しやってみることです。よくPDCAサイクルといったりしますね。
Plan(計画) Do(実行) Check(確認) Action(改善)の意味です
平たく言うと、
まず考えてみる、実際をやってみて、結果を確認し、より良くなるように改善する。
という考え方です。
普段の練習などで得られた課題を試合の中で何度もPDCAを行い、チーム力を高めることが大切なのです。
PDCAの一例
私の場合、自分の課題がコントロールにあると感じた時に取り組んだ一例をご紹介します。
①まずどうすればコントロールが良くなるかを練習の時から考えます。そしてフォームを変えることからはじめてみました。(Plan)
②それまでワインドアップで振りかぶって投げていたものを振りかぶるのをやめて見たり、セットから投げてみたりと試合で試します。(Do)
③結果、コントロールが改善されたのは振りかぶるのをやめた時でした。(Check)
④しかし、新たな課題として球速が思うように出ていないように感じるようになりました。(Action)
⑤そのため、今度は球速を出すための方法について考えていくことにしました。(Do)
⑥・・・
このように1つ課題が解決したとしてもすぐに新たな課題が出てくるものです。
課題の洗い出す機会が試合であり、練習の中で課題に対する対応を準備し、試合で実践してみて効果を検証する。
得られた結果を検証し、新たな課題を見つけることで、あなたのレベルはどんどん上がっていくことでしょう。
これらのPDCAサイクルをノートなどに記録することで成長の過程を残すことができます。
何か困った時などにそのノートを見返すと解決のヒントになることがあったりしますよ。
まとめ
- せっかく野球をやっているのですから、やらされてはいけません。自分で考えて自分の思うようにプレーしてみてください。まずは自分で考えてみるのです。
- 野球は一見同じことの繰り返しと思われがちですが、場面×選手によってまったく違う対応が必要になります。このことを意識し、常に考えて判断することを心掛けてください。
- 監督の指示にNoといえるくらい自分の判断に自信を持てるようになってください。そのためには人の意見を鵜呑みにする選手ではなく、何事にも自分で判断できるくらい考える経験を積んでください。
- 考えることと合わせて、行動と検証を繰り返すことであなたのレベルはぐんぐん上昇します。Plan(計画)-Do(行動)-Check(検証)-Action(改善)を繰り返すことで経験が蓄積されて知識と経験に裏打ちされた判断ができる選手になることができます。
大切なのは、人に言われたことにただ従うのではなく、自分で考えて自分で判断できることです。
「自分の意思を捨てて、チームプレーを優先する」ことが悪だとかそういった話ではありません。
自分が考えることができて、同じようにみんなが考えることができるチームになれば、自然とチームの方針は同じ方向に向かっていくものだと思っています。
あなたの投手への挑戦を応援しています。
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